通常は高温期が12~14日ある基礎体温。しかし人によっては、低温期が20日と長く続くこともあります。
ホルモンバランスや体質によって異なるとはいえ、低温期が長く続いていると心配になってしまいますね。
そこで今回は、低温期が長いことによる身体への影響や原因、改善方法などをお伝えします。
低温期が長いと身体に何か影響あるの?
低温期が長いからといって大きく体調を崩すことは少ないですが、実は健康面でも妊活でも嬉しくない影響がありました。
どのように影響を与えるのかは個人差があるため一概には言えませんが、例を挙げるなら下記のような変化を体にもたらすため、妊娠にも影響を与えることになります。
- 排卵日が遅れたり、生理周期がずれたりする
- 睡眠の質が低下し、寝不足によって基礎体温の数値が乱れる
体の調子が悪くなるだけでなく、低温期が長く続くということは、妊娠しづらい体になってしまうということでもあるのです。
低温期が長く続いてしまうと子宮や卵巣周辺の血流が悪くなり、生理痛など女性特有の悩みを引き起こすことになります。
また、生理開始から排卵するまでに時間がかかってしまい、排卵するチャンスが減ってしまうことにも繋がるのです。
妊娠を望んでいる場合でも逆の場合でも、低温期が長いことは女性の体にとって嬉しくない状態と言えますね。
低温期が長いことに関連した体の問題
出血や頭痛や吐き気といった諸症状から、病院へ行ったほうがいいケースなどお伝えしていますので参考にされてみてください。
出血
低温期に出血した場合、排卵出血か不正出血の可能性が高いです。
低温期で出血があっても、2~3日で高温期へ移行した場合、排卵出血だと考えられます。
排卵出血は低温期から高温期へ移る時、つまり生理と生理の中間ほどの時期にあることが多く、中間期出血とも呼ばれています。以下の2点が原因であることが多いです。
- 排卵時、卵子が放出されて卵巣の表面が破れてしまった
- 排卵期にホルモンバランスが崩れて子宮内膜がはがれた
突然の出血で驚くかもしれませんが、いずれも通常の生理現象ですので不安にならなくとも大丈夫です。
出血から2~3日が経過しても高温期に移ることがなかった場合、不正出血だと考えられます。ホルモンバランスの乱れが原因であることが多く、排卵しなかったことによる出血です。
ただし、人によっては子宮や卵管に病気があって不正出血が起こった場合や、経口避妊薬の影響による出血などもありますので、心当たりがある方は一度病院での診察を受けたほうがよいでしょう。
頭痛や吐き気など
人によっては、低温期に頭痛や吐き気などの症状を感じる方もいます。原因は体質によって様々ですが、貧血や冷え性から転じて起こったケースが多いです。
1日30分の有酸素運動(ウォーキングなど)を行ったり、食生活の改善など日常生活での工夫によって症状がなくなったり軽減されることがあります。
以下の項目に当てはまる場合、一度病院での診察を受けるのがよいでしょう。
- 低温期が21日以上(卵胞を育てる力が弱い)
- 高温期が9日以下(卵胞が成熟されない)
- 高温期と低温期の温度差が0.3度未満
- 低温期しかなく、高温期がない
- 生理周期が39日以上(頻発月経)
低温期が長い原因は?
低温期が長い原因としていちばんに考えられるのが、エストロゲンの分泌が不足していることです。また、ストレスや更年期といった体の変化も、低温期が長い原因となることがあります。
エストロゲンの分泌不足
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、卵胞ホルモンとも呼ばれています。子宮内膜を厚くさせる働きがあり、受精卵を着床させやすくします。
その他、体に丸みを帯びさせたり肌や髪を良くしてくれたりと、女性らしさにも関わってくるホルモンです。
エストロゲンの分泌が不足していると、卵胞や卵子の成熟にたくさん時間がかかってしまいます。
低温期が生理終了~排卵までであることを考えると、排卵のための卵胞や卵子の成熟に時間がかかるわけですから、必然的に排卵も遅れることになります。そのため低温期が長くなるのです。
更年期
一般的に50代から、早い場合で30代からなるとされている更年期ですが、低温期が長くなるケースがあります。更年期になるとホルモンの分泌量も変化するため、当然、基礎体温にも影響を及ぼします。
更年期になったばかりのころには、黄体機能不全のような低温期が長く、高温期が短い基礎体温になることもあるのです。
ちなみに本格的な更年期になると、低温期と高温期の差が低くなり、やがて閉経して高温期がなくなります。
ストレス
強いストレスは基礎体温にも影響を与えることがあります。ストレスは万病のもとと言うように、不眠、頭痛、冷え、動悸、吐き気などの症状が出ることがあります。
そうした症状によって生活習慣が乱れ、ホルモンバランスも崩れて基礎体温がおかしくなり、低温期が長くなるのです。
マカ
もしマカを飲んでいて低温期が長くなったのなら、マカの使用を中止したほうがいいかもしれません。マカ飲んだことによって低温期が長くなったという経験談は多いです。
しかし一方でマカを飲んだことによって基礎体温が整ったという意見もあります。マカのような自然由来のマルチビタミンは、人によって合う合わないの差が大きくなっています。
マカを飲んだことで低温期が長くなった方は、そのほとんどがマカをやめてから基礎体温が通常に戻っているようなので、もしマカを飲んでいるなら使用を中止されてみてはいかがでしょうか。
→ 妊活中にマカを摂ることによる効果は?摂取量は?副作用の心配は?
低温期が長いのを改善させる方法は?
低温期が長い原因は、その多くが生活習慣由来のものです。そのため、長い低温期を改善したい場合、生活習慣を見直す必要があります。
生活習慣を見直す
しっかりと睡眠をとる
しっかり睡眠がとれていないと、血液が不足して卵子を育てられなくなったり、ホルモンが満足に分泌されなくなってしまいます。
特に低温期は、眠っている間に生理で減ってしまった血液や体力を回復させてくれるため、非常に重要です。
毎日の睡眠時間の平均が6~7時間になるよう、就寝時間の調整をしてください。すっきり目覚めたいなら90分刻みで、6時間もしくは7時間30分ほどの睡眠が特におすすめです。
食事で鉄分やタンパク質をとる
長い低温期を改善したい場合、食事において鉄分とタンパク質をとることを考えるようにしましょう。
全体的にバランスの良い食事がいちばんですが、難しければ鉄分とタンパク質に集中して対策を行っても大丈夫です。食事でとるのが困難ならサプリメントで補うのも良いでしょう。
- 鶏肉、豚、牛肉の赤身といった肉類
- 魚介類
- 卵、チーズを中心とした乳製品
毎日の運動を心がける
適度な運動を毎日続けることで、血行が良くなり低温期が改善されることがあります。ウォーキングやストレッチ、ラジオ体操など、全身を使った有酸素運動がおすすめです。
ストレッチやラジオ体操であれば、室内でも取り組めるので良いですね。
女性をターゲットとした健康体操教室のストレッチ。イラストでわかりやすく、女性でも取り組みやすい内容となっています。
・ラジオ体操第1・第2
おなじみラジオ体操の第1、第2がセットとなった動画。時間がない方や運動に慣れていない方は第1のみ挑戦するのがおすすめです。
体を温める
女性の体は冷えやすく、また、冷えは様々な弊害を及ぼします。お腹の周辺や末端の手足などをしっかり温めることで体調が安定し、基礎体温に関する悩みが解消されることもあります。
腹巻や靴下、湯たんぽなどで冷えやすいお腹や手足を温めるのも有効です。夏場はつい素足や薄着になりがちですが、お腹を触ってみるとひんやり冷たいことがあります。
薄手のインナーを一枚増やしたり、肌着の裾をパンツやスカートなどの内側に入れたりと対策が必要です。
→ 妊活中の腹巻って本当に効果あるの?選び方のポイント&おすすめ3選
半身浴は、体に負担をかけることなく下半身をしっかり温めることができます。浴槽に38度ほどのお湯をはり、30分ほどつかります。この時、水位は腰までにしておくのがポイントです。
胸や肩までしっかりお湯をためてしまうと、水圧で心臓などに負担をかけることになるため長く浸かることができません。
自然由来のもので女性ホルモンを補う
生活習慣の改善が難しい場合、自然由来のものでエストロゲンを補う方法があります。
ザクロ
ザクロにはクメステロールと呼ばれる植物性エストロゲンが含まれているのですが、こちらはエストロゲンとほぼ同じ働きをしてくれます。
エストロゲン不足で低温期が長く続くことを考えると、非常に嬉しい成分ですね。
また、豊富なビタミンやカリウムも含まれているため、免疫力アップやむくみ解消などの効果も得られます。
→ ザクロジュースが妊活に良いと言われる理由&効果/選び方/飲み方!
豆乳
低温期には豆乳が良いという意見があることをご存知でしょうか。実際に、豆乳が持つ大豆イソフラボンはエストロゲンと似たような働きをしてくれます。
飲み過ぎはかえって体のバランスを崩してしまいますが、1日にコップ1杯程度であれば長い低温期への対策になるかもしれません。
まとめ
低温期が長いと卵胞や卵子の質が落ちるといった意見もありますが、医師によればそのようなことはないそうです。
体調を崩してしまうことや、排卵のチャンスが減ってしまうことが問題とされています。ですので体調に問題がないのであれば、焦らず気長に改善されてはいかがでしょうか。
できる限りストレスをためないよう、体を大切にお過ごしくださいね。