仕事をしながらの妊娠は、体調面でも精神面でもハードなものです。特に吐き気や頭痛のあるつわり期間中は、仕事はおろか電車などの通勤もきついという声をよく聞きます。
どうしても体が辛い時はお休みの連絡をして、安静に過ごしたいもの。でも、会社にどのように伝えたらいいのかよく分からないという人も多いのではないでしょうか。また、どのくらい休むのが一般的なのか? その間の給料はどうなるのか? など、気になることも多いですね。
そこで今回は、つわりで会社を休む時の電話の仕方や、休み期間、そして給料についてまとめました。
つわりで仕事を休む際の電話での言い方は?
つわりで仕事を休みたい時の、電話での伝え方のコツを紹介します。
事前に上司に報告を
スムーズな電話連絡のためにも、妊娠が分かった段階で上司や信頼できる近しいメンバーには報告をしておくといいでしょう。
妊娠初期は不安定な時期のため、周囲に妊娠を伝えるのは抵抗を感じる人もいるかもしれません。でも誰にも妊娠を伝えていないと、休みが取りづらい・休むことに理解を得られないということも考えられます。少なくとも上司には報告をしておくと、その後の電話連絡がしやすいでしょう。
電話での休みの伝え方ポイント
電話で連絡をする際は、「つわりが辛い」「吐き気がひどくて動けない」など、正直に理由を伝えるのが一番です。
事前に上司に妊娠を告げていない場合や休むことに罪悪感を持っている場合、嘘の理由を伝える人もいるようですが、おすすめできません。嘘をごまかすためにはまた嘘を言わなければならないなど、結果的に信用を損なうことになります。
つわりの症状について、くどくどと詳しく説明する必要はありません。詳細を聞かれたらさらっと答えるくらいの心構えで。普段の体調不良で休む時のように、簡潔に状況を伝えるだけで十分でしょう。
仕事を休んで申し訳ないという気持ちと、感謝の気持ちを伝えましょう。「妊婦だから休んで当然」という態度はNGです。産後に職場復帰を望むのであればなおさら、低姿勢を心掛けるのがベストと言えます。
残念ながら職場の環境や上司によっては、妊婦であっても休みを快く思わない人がいるのも実情。電話で嫌味や冷たい態度を取られることがあるかもしれませんが、そこはスルーして、謝罪と感謝の気持ちを前面に出すのがコツです。
つわりで仕事を休む時の期間の目安は?
つわりの症状や重さに個人差があるように、つわりでどのくらい仕事を休むのかも、その人の状況次第と言えるでしょう。
軽いつわりの場合
軽めのつわりの場合は、体調が良好な日もあれば辛い日もあるなど、症状にムラが生じがち。そんな時は、辛い症状が出た場合に1日、2日など単発で休む人が多いようです。また、午前休・午後休みを利用をするなど、状況に応じて細切れに休みを取る人も。
重いつわりの場合
重いつわりが何日も続くような時は、1~2週間のまとまった休みを取る人もいます。また、「妊娠悪阻」や「妊娠貧血」と診断され入院が必要な場合など、数か月単位で休むようなことも。いずれにしても、つわりの程度や、職場の状況や制度、そして上司や周囲のつわりへの理解度によって、その期間はさまざまと言えます。
知っておきたい「つわり休暇」と「母健カード」
「つわり休暇」というものをご存知でしょうか。妊婦健診の結果、入院や自宅療養が必要だと医師が判断した時は、男女雇用機会均等法で認められている「つわり休暇」を取得できます。
例えば次のような時に「つわり休暇」を申請する人が多いようです。
- 休みが長期に渡りそう
- 有給休暇を残しておきたい
- 有給休暇を使い切ってしまった
申請方法や制度について詳しくは、会社の人事部などに確認してみてください。
いくら医師から休むように言われていても、男性上司に理解してもらえない…そんなことがあるかもしれません。そんな時には「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用するとスムーズです。
このカード、つわり症状がひどい時に“母体を休ませるように”と医師が必要な措置を記入してくれる、いわゆる“診断書”のようなもの。時短や長期休業などの指示を記入してくれ、会社はその指示に従う必要があります。
つわりが辛くて会社勤めが困難に感じる時は、カードの記入について一度主治医に相談してみてください。
“母健カード”は厚生労働省のホームページからダウンロードすることもできます。
つわりで仕事を休む場合、給料はどうなるの?
つわりで仕事を休む時、気になるのはお給料ですね。休み期間中、お給料は支払われるものなのでしょうか。
「つわり休暇」中は無給
「つわり休暇」を取得した場合、この期間は基本的には無給です。一方、通常の体調不良と同じように有給休暇を利用した場合は、もちろん有給となります。
会社の制度を確認してみて会社によっては、独自の制度で「つわり休暇」中の給料を保証している場合もあります。会社の上司や人事部などに詳細を確認してみるといいでしょう。
長期の場合は手当金が出ることも
病気やケガで継続して3日以上休まなければならない時、4日目以降から「傷病手当金」という手当が支給されるのをご存知でしょうか。重度であればつわりでも、この「傷病手当金」の対象となることがあります。
日給の6割相当額×日数分が支給されるので、長期の休みを強いられるような場合に心強い制度ですね。
ただし、勤務先の健康保険に6か月以上加入していることなど、支給されるためにはいくつかの条件が。詳しくは会社の人事か、健康保険窓口に問い合わせてみるといいでしょう。
まとめ
仕事をしながらの妊娠出産は、休むことへの罪悪感を持ってしまったり、仕事のことが気になってしまったりして、思うように休めないという人も多いのではないでしょうか。
でも、一番大切なのはお中の赤ちゃんとお母さんの体です。体が辛い時こそ、ゆったりと休む時間だと割り切って、つわり期間を乗り越えられるといいですね。