妊娠初期に多くの人が悩まされる“吐き気”。私自身、一人目も二人目もひどい吐き気に苦しみました。毎日の吐き気と嘔吐で、「なんでこんなに苦しいのー!」とイライラを夫にぶつけたことも。
そんな時に、“吐き気の起こる理由”を知ることや、“いつまで続くのか”を知ることは、イライラを軽減させるのにとても役立ちました。
そこで今回は、つわりによる吐き気の原因や期間、さらに吐き気を和らげるための方法について情報をまとめました。吐き気自体をゼロにすることは難しいかもしれませんが、知識を得ることで少しでも気が紛れるといいですね。
つわりで吐き気が起こる原因は?
実はつわりの原因は医学的には明確にはなっていません。なぜつわりが起こるのか、いくつかの説を紹介します。
「ホルモンの影響」説
妊娠に伴いホルモンが急激に変化し、脳の嘔吐中枢を刺激するために吐き気が起こるという説です。
妊娠するとすぐに「ヒト絨毛性ゴナトトロピン」というホルモンが急増。その後16週頃に分泌が落ち着きます。つわりのピークと分泌の時期が重なるため、このホルモンが吐き気を作り出す遠因と考えられています。
「拒絶反応」説
体がお腹の赤ちゃんを“異物”とみなしてしまい、拒絶反応を起こして吐き気が出るという説。
妊娠してしばらくすると体内に赤ちゃんがいる状態に体が適応し、吐き気が治まるとされています。
「体をアルカリ性にするため」説
妊娠中の体をアルカリ性にするため、吐き気・嘔吐が引き起こされるという説。
体が酸性状態だと赤ちゃんが染色体異常を起こす可能性があるため、妊娠中の体はアルカリ性状態が望ましいとされています。そこで、酸性に傾いた体をアルカリ性状態にするために、吐き気・嘔吐で毒素を排出しているのだと考えられています。
「赤ちゃんを守るため」説
妊娠初期のデリケートな時期にアレコレ食べて、赤ちゃんに悪影響を与えないためという説。
お酒やカフェイン、マグロなど妊娠中に控えた方がいい食べ物はたくさんあります。摂取しすぎると、赤ちゃんの脳や体の発育に悪影響を与える危険性があるものも。
つわりで吐き気がきつければ、お母さんはそれらを口にすることもままならなくなるため、結果的に赤ちゃんを守ることができるというのがこの説の考えです。
「母体を休めるため」説
つわりによって体を動けない状態にしている、という説。
妊娠初期はお腹も小さいため、無理をしてしまいがち。もし元気いっぱいだとしたら、重いものを持ったり激しい運動をしてしまう人もいるかもしれません。
でも吐き気がきつければ、あまり無理はできませんね。このようにして体を守っているのだと考えられています。
つわりによる吐き気はいつまで続くの?
終わりは12週~16週頃
12週~16週を迎える頃には、多くの人が吐き気を感じなくなるようです。この頃は胎盤が完成し、安定期に入る時期でもあります。
ただし、つわりはかなり個人差の大きいものなので、終わり時期も人によります。上記の終わり時期は、目安として捉えておいてください。
終わり方も人それぞれ
一般的には、12週を過ぎたあたりから徐々に吐き気が落ち着いてくるというパターンが多いようです。
ただしこれも個人差があります。中には、少しずつではなくパタリと吐き気がなくなる人もいるようです。
一点注意したいのは、12週~16週より以前に吐き気やつわり症状が突然なくなった時。流産の可能性があるため、気になる人は医療機関に相談してください。
ずっと続く場合も
安定期に入る頃には吐き気がおさまる人が多いですが、中には妊娠中期・後期まで吐き気が続く人もいます。
また、妊娠期間中ずっとつわりが続くという人も。約10%の妊婦さんが、出産直前までつわりが続くそうです。
つわりによる吐き気を和らげる為の過ごし方は?
吐き気を全くなくすことは難しいですが、和らげるための工夫はいろいろあります。いくつかの工夫を組み合わせながら、つわり期を過ごしてみてください。
食べ物・飲み物に気を付ける
吐き気は、空腹時と満腹時に出やすいものです。少量の食事を5~6回に分けて食べるなど、空腹・満腹状態にならないように過ごすと吐き気が和らぐことがあります。
夜中に空腹で吐き気が強く出る場合は、枕元にクッキーや小さいおにぎりなど、一口で食べられるものを置いておき、こまめに食べると吐き気を軽減できます。
つわりで吐き気が出ている時は、栄養バランスは考えず「食べられるものを食べられる時に食べる」という心構えで過ごすといいでしょう。
例えばトマトばかり、アイスばかりなどの偏った食事でも気にせず、吐き気の出ない食べ物を食べてください。無理に食べると、吐き気を強める可能性があります。
安静にする
体が辛い時は、横になったりして安静に過ごすのが一番です。家事や仕事も最低限にして、なるべくストレスを感じない状態がベスト。
ストレスは吐き気を強める可能性があります。実家に帰る、夫にヘルプを頼むなど、安心して過ごせる環境を整えておくといいでしょう。
気分転換をする
気分転換をすることで、吐き気が和らぐ場合があります。家の中でじっとしていると気持ち悪さばかりに気が回ってしまうことも。
そんな時は軽い散歩や、没頭できる作業をしたり、人と会ったりすると気が紛れます。リフレッシュする瞬間を日常生活にうまく取り入れて過ごしてみてください。
におい対策をする
つわり中はにおいに敏感になってしまうので、マスクでにおいをシャットアウトすると吐き気予防になります。外出する際や家の中でも常にマスクを着用して過ごすといいでしょう。
部屋やキッチンなど普段なら気にならないにおいでも、つわり中はムカムカしてしまうことがあります。消臭スプレーや脱臭剤などを利用して嫌なにおいを取り除き、快適な住環境を作ってみてください。
まとめ
吐き気に苦しんでいる時は、出産までとても長い道のりのように思えて辛いものですね。でもつわりには、必ず終わりが来ます。
赤ちゃんに会うことを楽しみに、つわり期を乗り越えられるといいですね。