全くつわりのない妊婦さんもいる中、寝たきりになってしまうほどの酷いつわりに悩まされている妊婦さんも沢山います。
病院で点滴してもらおうと思っても、本当に効果があるのか?点滴してこれ以上酷くなったりしないの?と不安になりますよね。
今回は、そんなつわり中の点滴に関する情報をまとめました。
つわり中の点滴で期待できる効果は?
酷いつわりを少しでも軽くするために点滴を受けたい!と思っても、一体どんな成分が入っていて、どんな効果があるのか気になりますよね。点滴に含まれる成分や、その効果は次の通りです。
ブドウ糖
尿検査でケトン体が検出されると、点滴を奨められることが多いのですが、このケトン体はブドウ糖が不足すると体内で生成される成分です。なのでブドウ糖を点滴で体内に入れる事によってエネルギー補給することができます。
更に、水分が摂れていなかった人はブドウ糖を入れる事で脱水症状の改善に繋がります。
ビタミンB1
つわりが悪化すると「妊娠悪阻」という病名が付きますが、加えて「ウェルニッケ脳症」も発症することがあります。
ウェルニッケ脳症はビタミンB1の欠乏によって起こるとされており、妊娠悪阻になっている妊婦さんも引き起こしやすいということで、ビタミンB1が点滴に配合されることが多いです。
プリンペラン
妊娠中のつわりの症状である吐き気を止める為の制吐剤です。あまりのも嘔吐がひどい場合は、プリンペランが点滴に注入され、吐き気を和らげてくれます。
基本的につわり中の点滴は、つわり自体の改善の為ではなく、「栄養不足」「脱水症状」を改善する為のものです。1回の点滴で600~1000キロカロリーは補給できますし、脱水症状によるダルさや倦怠感への効果が期待できます。
つわり中の点滴による効果の持続時間は?
点滴によってつわりの症状が少しでも軽減されれば嬉しいものの、いつまで効果が持続するのか?ということも気になりますよね。
まず、つわり中の点滴を受ける時間も人それぞれです。
点滴はだいたい1パック500ml。これを体に負担のかからない速度で落とすと、最低でも2時間はかかります。2パックなら4時間ということですね。更に、妊娠悪阻の場合は入院して24時間点滴というケースもあります。
いずれにせよ点滴をしている間は、脱水症状も改善されてつわりが楽になったという人が多いようです。
点滴が終わった後ですが、家に帰ってから少しの間は点滴によって体内に水分が入っている状態になります。ですが、また吐き気がぶり返してしまうと点滴を受ける前の状態に戻ってしまいます。
もちろんこれも人によって様々で、点滴が終わって家に帰る途中で既に気分が悪くなってしまう人や、1回の点滴でつわりが楽になったという人もいるようです。
なので、「吐き気がぶり返した」「水分がまた摂れなくなって尿の量も減った」と感じた時に再度点滴をしてもらいましょう。そうすることで、点滴の効果を持続しやすくなります。
ほとんどの場合、つわりのピークとされる8週から12週の間は、2、3日おきに点滴に通っている人が多いようです。次の点滴の予約をしていても、点滴の効果が切れてしまって辛い場合は我慢せずに点滴の日程を早めてもらいましょう。
つわり中の点滴が効かないこともあるの?
点滴を受けることによって楽になる人もいれば、逆につわりの症状が重くなってしまう場合もあります。つわりを軽減する為に点滴を受けているのに、効果がなかったり悪化したら意味がないのでは?と思いますよね。
なぜ点滴が効かないのか、原因別に見ていきましょう。
点滴=水分
少し水を飲んだだけでも吐いてしまう人は、点滴が体内に入るだけでも吐き気をもよおしてしまいます。なので、吐きながら点滴を受けるというケースもあります。
ビタミンの臭い
点滴にビタミンが配合されている場合は、点滴中に鼻から抜けるビタミンの独特な臭いが吐き気に繋がるという人もいます。その為、点滴をしたら吐き気が増したと感じる場合があるようです。
プリンプランの副作用
制吐剤として投与されることのあるプリンプランですが、副作用が出る場合があります。その副作用というのが、腹痛、下痢、めまい、眠気など、つわりの症状に似ていることから「つわりが悪化した」と感じる人もいるようです。
更に、プリンペランでアレルギー反応が出る人もいるので、明らかに変だと感じたらすぐに看護師さんや先生に伝えましょう。
これらの症状が現れると「点滴が効いてない」と思いがちですが、決して効いていないわけではありません。点滴が体に入ることによって、不足している水分や栄養の補給はできているので安心してくださいね。
まとめ
つわり中の点滴は、残念ながらつわり自体を改善するものではありません。ですが、つわりによる脱水症状や栄養不足を補うためのものだと考えてください。
点滴をしても全然効果が無かったり、症状が重くなったりすると点滴に行くのも億劫(おっくう)になりますよね。
でも、妊娠悪阻になった後も点滴せずに対処していないと、母体にも胎児にも悪影響を及ぼすこともあるので必ず病院で適切な処置を受けましょう。