ただでさえ苦しいつわりですが、頭痛まで起こってしまうと何も手につかなくなってしまいます。しかし妊娠していると薬を飲むこともできず、休んでみても痛みが引かないことも。
なぜつわりによって頭痛が起こるのでしょうか、原因と解消方法をまとめました。
つわりで頭痛が起こる原因は?
つわりによる頭痛の原因は複数あり、個人によって様々です。日頃の生活習慣や体質などを思い返しつつ、原因は何なのか考えてみましょう。
ホルモンバランス
妊娠をきっかけにホルモンバランスが変化したことで、片頭痛になる場合があります。逆に片頭痛が妊娠によって治まる場合もあります。
寝過ぎ
つわりによる強烈な眠気が原因で寝過ぎてしまい、脳の血管が広がりすぎて頭痛になります。あるいは、眠っている間は首や肩の筋肉が動くことがほとんどないため、肩こりになってしまい、周囲の血管が圧迫され頭痛になります。
寝不足
つわりが原因で満足な睡眠が得られず、疲労が溜まってしまい、頭痛になることもあります。
水分不足
つわりによる嘔吐を繰り返していると、どうしても水分不足になってしまいがちです。しかし水分が不足していると、体の血液がドロドロになってしまい、血行不良へつながります。それにより血管が圧迫され、頭痛を引き起こします。
天気
天気によってつわりの悪化を感じる女性は多いですが、はっきりとした原因は解明されていません。一説として気圧の低下が原因といわれており、それにより血管が膨張し頭痛を引き起こすようです。
ストレス
頭痛の原因として、つわりによるストレスがあります。緊張型頭痛と呼ばれるもので、頭全体や後頭部が締め付けられるように痛む症状です。
鉄欠乏性貧血
つわりが原因で充分な食事ができず貧血になってしまい、貧血が頭痛へつながることも。頭痛だけでなく以下の症状も併発していると、貧血である可能性が高いです。
- 肩こり
- めまい
- 疲れやすい
- 動悸や息切れ
- 肌や髪が乾燥する
- 爪が割れる
つわりによる頭痛を解消する方法は?
頭痛を感じたら真っ先に楽な姿勢になりましょう。可能であれば、目を閉じてしばらく横になって休んでください。
頭痛の解消方法を実際に行う前に、頭痛が片頭痛なのか緊張型頭痛なのか、判断しなければなりません。緊張型頭痛に効果的な解消方法は、片頭痛を悪化させる場合があるからです。
下を向いて頭を振ってみましょう。痛みが強くなるようであれば片頭痛で、痛みに変化がなければ緊張型頭痛です。
片頭痛
頭の中の血管が拡張したことにより起こるのが片頭痛です。血管が広がっているため、温めたり、マッサージなどで刺激を与えるのは逆効果になってしまいます。
痛みを感じる部分に氷のうや冷たいタオルなどを当て、冷やします。
片頭痛の際は、光や音に過敏になります。部屋の電気は消して、テレビやラジオなど音の出るものも消すのがよいでしょう。
ポリフェノールは血管の拡張を促します。チョコレート、チーズ、ナッツ類に多く含まれており、妊娠時はカルシウムを補うためにチーズを食べることがありますが、片頭痛を感じたらひかえましょう。
片頭痛は、おおむね1~2時間寝ることで症状が治まります。過度な睡眠は夜間の睡眠へ影響しますので、アラームをセットして休むとよいでしょう。
緊張型頭痛
頭全体や後頭部を、ぎゅっと締め付けられるような痛みを感じるのが緊張型頭痛です。緊張型頭痛の原因は、精神的なものを除いてほとんどが血行不良によるものであるため、血行を良くすることで解消できます。
もし運動ができる状態であれば、関節を回したり伸ばしたりしてストレッチしましょう。天気の良い日であれば、外を散歩するのもおすすめです。運動することにより血流をよくする他、ストレスを解消することができます。
絞ったタオルを500Wのレンジで1分ほど加熱し、首や後頭部、目や肩に当てて温めます。タオルの水分量やレンジで温める時間は、好みに合わせて変えていきましょう。
温熱シートがあれば同じように使ってください。温めることで血行が良くなります。
体調が良ければ、湯船にぬるめのお湯をはり、ゆっくりと入浴するのもよいでしょう。好みの入浴剤を使用することで、血行の改善と同時にリラックス効果も得られます。入浴後は湯冷めしないよう気をつけましょう。
ストレスや心配事など精神的なものが原因である場合、少しでもリラックスできる時間を増やすことが重要です。好きな音楽を聞いたり、ノンカフェインのハーブティーを飲んだり、散歩をしたり、できる範囲で好きなことをする時間を作りましょう。周囲の人々にも協力してもらい、つわりがひどくなければ一緒に外出するのもおすすめです。
ツボ
いずれの頭痛であったとしても、つわりの頭痛に効果的なツボがあります。ツボの指圧は、押し方を間違えなければ母体にも赤ちゃんにも影響がなく、安全に行うことのできる頭痛解消方法です。
天柱(てんちゅう)という頭にあるツボを押すことで、頭痛の症状を和らげることができます。指先で、首の後ろに太い筋肉がふたつ縦に通っているのを見つけてください。
首を後ろに曲げると支点になっている部分があることがわかりますが、耳の後ろから首にかけて指で探っていくと見つけやすいです。頭と首のつながる部分に天柱のツボがありますので、人差し指と中指で刺激してください。
三里(さんり)は膝の下にあるツボで、つわりの頭痛に効き目があります。膝から指四本分ほど下にくだった、すねの外側に位置しています。
足を曲げて探すと、ちょうどくぼんでいる場所が三里です。親指で刺激し、頭痛を解消しましょう。
ツボの刺激は、痛いけど気持ちがいいくらいの力加減で行うと効果的です。しかし強い痛みを感じたり、気持ちが悪くなったりしたら、すぐに中止して横になってください。
また、ツボ押しはできる限り楽な姿勢で行いましょう。指で押すのが難しいようであれば、市販のツボ押しの購入をおすすめします。
まとめ
つわりがひどいと、身動きすることも難しいですが、水分補給だけはしっかりと行ってください。また、体質によっては解消方法で効果が得られないこともあります。
上記の方法で頭痛が治まらないようであれば、早めの受診を心がけましょう。