家の中にあって、赤ちゃんが特に興味を示す持つものの一つが、“鏡”です。
鏡をもって、にこにこと笑っている姿を見ると、なんだか可愛らしく感じます。
しかし、中には“赤ちゃんに鏡を見せてはいけない”と言う人がいます。
年配の世代に言われると、なんだか根拠がありそうに感じてしまいますが、ここには何か理由があるのでしょうか。
そもそも、赤ちゃんはなぜ鏡を見て笑い、鏡の中の存在を理解しているのか疑問に感じます。
赤ちゃんに鏡を見せてはいけない理由は?
“赤ちゃんに鏡を見せてはいけない”ということの、理由は何があるのでしょうか。
医学的根拠はない
「赤ちゃんに鏡を見せてはいけない」と、昔の人は言いますが、医学的根拠はありません。
鏡を見せたからと言って、何らかの悪影響を与えるということはないと考えていいでしょう。
モノを近くで見ることで、視野が狭くなり、目が悪くなるという考えもあります。
しかし、実際のところ目に悪い影響が出たという報告はないので、安心していいでしょう。
迷信の一つ
現在の医学では、鏡が直接的な悪影響になると考えられていません。
「赤ちゃんに鏡を見せてはいけない」という教えが、今でも引き継がれている理由の一つが、迷信です。
地方や信仰宗教によって、細かな内容は変わりますが、鏡には特別な力が宿っているという教えが広まっていました。
実際に、など、人の姿を映すものは、”魂を吸われる”という考えがありました。
水と間違えないため
現在の世の中では、考えにくいですが、赤ちゃんが鏡と水の区別がつかないことを懸念する考えがありました。
実際に、水に映った自分の姿を見て、鏡と同じように近づいてしまったことが、過去にはあったようです。
このような水没事故を防ぐために、迷信につながったという説もあるそうです。
近代社会では、お風呂の水に気をつけるくらいで、水と鏡を混同してしまうという心配もいらないでしょう。
赤ちゃんが鏡を見て笑うのはなぜ?認識しているの?
赤ちゃんが鏡を見ると、楽しそうにニコニコしている様子がありますが、どうしてなのか理由を見てみます。
他の赤ちゃんだと思う
生後4か月頃から、鏡に映った姿をみて、ニコニコと笑っている子が多いです。
自分を見て笑っている姿を見ると微笑ましいですが、この時期の赤ちゃんは、鏡の中に映るのは、“他の赤ちゃん”という認識しかありません。
乳児健診や公園に行くとわかりますが、赤ちゃんは、他の赤ちゃんに興味があります。ほかの赤ちゃんをじっと見つめたり、触ったりする行動を示します。
小さな赤ちゃんが鏡をしきりに見るのは、自分と同じような存在が気になっているだけだと考えられています。
笑顔の反射
赤ちゃんの笑顔には、笑顔に対して”反射している”という理由があります。
これは、大人が赤ちゃんに笑いかけた時に、笑い返してくれるのと同じメカニズムです。
赤ちゃんに限らず、人間というのは、目に入るもの、見ている人を真似る習性があります。
反射をすることで刺激を受けて、自らも発達することができるのです。
自分だとは認識はしていない
赤ちゃんが鏡に映っている姿が自分だとわかるのは、まだまだ先の話です。
生後1年未満であれば、鏡に映る姿が自分自身であるという認識はありません。
多くの子供が、鏡という存在を認識できるのが、1歳過ぎ~1歳半ころだとされています。
1歳前のほとんどの赤ちゃんは、鏡に映っているのは、”ほかの赤ちゃん”というように理解しているでしょう。
まとめ
昔の人の言い伝えでは、赤ちゃんに鏡を見せてはいけないという考えがありました。
これは、鏡が神秘的なものという考えがあり、事故を未然に防ぐためという理由があったからです。
今では、鏡は赤ちゃんのおもちゃにも使われている通り、鏡が心と体の成長に悪影響を及ぼす心配はないとされています。
小さいうちに鏡で遊ばせ、鏡を見ていたからと言って、病気や障害になることは考えられないです。