2024年の土用(春夏秋冬)とその間日|おすすめの食べ物は?

年に4回訪れる土用(春夏秋冬)とその間日|食べるべきものは? 雑学・豆知識

「土用の丑の日」は、夏バテ対策としてうなぎを食べるという日本の伝統的な習慣です。

子供のころ、この日が特別であることを学んだことを覚えています。

祝日ではないものの、この日は日本の文化や生活の中に深く根ざしている点が非常に興味深いです。

しかし、これは特に夏に関連したものです。

土用とは、実は年に4回存在する暦の「雑節」のひとつです。

特に、「土用の丑の日」は夏の土用期間中の「丑の日」を指します。

この記事では、年に4回ある土用について詳しくご紹介します。

まず、土用の起源とその語源について解説しましょう。

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土用の起源とは何か?

土用は、古代中国の「陰陽五行説」という思想に由来しています。

陰陽五行説とは以下の2つの考え方から構成されます。

陰陽論

自然界の全てを「陰」と「陽」で分ける理論

五行説

自然界が「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素で構成されるとする理論

これらを統合して、宇宙や自然、人間の社会に関する様々な現象を説明します。

四季を五行説に当てはめると、「春=木」「夏=火」「秋=金」「冬=水」となりますが、ここでは「土」が欠けてしまいます。

そのため、各季節の終わりに約18日間の「土」を割り当てて「土用」と名付けられました

「立春」「立夏」「立秋」「立冬」のそれぞれの前約18日間が土用期間とされています。

土用という言葉の起源に迫る

「土用」という言葉の背後にある深い意味を解き明かしてみましょう。

五行説では、「木気」「火気」「土気」「金気」「水気」という5つの元素がありますが、もともとは「土用」という概念は存在していませんでした。

そこで、この「土用」という言葉は一体どこから来たのでしょうか。

実は、「土用」という言葉は「土旺用事」という言葉に由来しています。

ここから「旺」と「事」が省略され、現在の「土用」という言葉が生まれました。

「土旺用事」という言葉を分解すると、「土の気が盛んになって作用する」という意味があります。

ここでの「用」は「活動」や「働き」と解釈され、土の気が最も活発な時期を示しています。

さらに、漢字の「王」には「大きく成長する」という意味があり、「旺」は「日光が四方に豊かに放たれる様子」を意味しています。

もう一つの説では、「土旺」が日本に伝わり、その発音が「どよう」と変化し、その後「用」という漢字を組み合わせて「土用」という言葉が形成されたとされています。

土用期間中に避けた方が良い行為は?

土用の時期は、古来より陰陽道で「土公神」と称される神様が力を発揮する時期とされています。

このため、土用期間中は土に関わる作業を避けるのが一般的でした。具体的には以下のような行為が含まれます。

  • 新築(新しい家を建てる行為)
  • 修理・補修(壊れたものを直す行為)
  • 柱建て(建築時に初めて柱を立てる作業)
  • 礎石敷設(建物の基礎となる礎石を置くこと)
  • 井戸掘り
  • 壁塗り直し

これらは不吉とされる行為でした。

特に昔は、井戸の清掃という「井戸替え」という作業が重要視されていましたが、秋の土用期間中は特に井戸掘りや井戸替えが避けられていました。

このような作業の制限は、建築業や修理業に従事する人々に大きな影響を与えていました。

そこで重要な役割を果たすのが「間日」です。

間日とは?

土用の間日は、次のように定められています。

春土用

巳・午・酉の日

夏土用

卯・辰・申の日

秋土用

未・酉・亥の日

冬土用

寅・卯・巳の日

これらの日は、文殊菩薩によって土公神が清涼山に集められるとされ、土を扱う作業をしても問題が生じないとされています。

2024年、2025年、2026年の土用と間日の詳細スケジュール

土用と間日の意義を理解する上で、それぞれの具体的な日程を知ることが重要です。

2024年、2025年、2026年の土用の期間と間日について、以下に詳しく紹介します。

2024年の土用の期間と間日一覧

区分 期間 間日
冬の土用 1月18日〜2月3日 1月18日(巳)、1月27日(寅)、1月28日(卯)、1月30日(巳)
春の土用 4月16日〜5月4日 4月23日(巳)、4月24日(午)、4月27日(酉)
夏の土用 7月19日〜8月6日 7月19日(申)、7月26日(卯)、7月27日(辰)、7月31日(申)
秋の土用 10月20日〜11月6日 10月22日(未)、10月24日(酉)、10月26日(亥)、11月3日(未)、11月5日(酉)

2025年の土用の期間と間日一覧

区分 期間 間日
冬の土用 1月17日〜2月2日 1月21日(寅)、1月22日(卯)、1月24日(巳)、2月2日(寅)
春の土用 4月17日〜5月4日 4月18日(巳)、4月19日(午)、4月22日(酉)、4月30日(巳)、5月1日(午)、5月4日(酉)
夏の土用 7月19日〜8月6日 7月21日(卯)、7月22日(辰)、7月26日(申)、8月1日(卯)、8月3日(辰)
秋の土用 10月20日〜11月6日 10月21日(亥)、10月29日(未)、10月31日(酉)、11月2日(亥)

2026年の土用の期間と間日一覧

区分 期間 間日
冬の土用 1月17日〜2月3日 1月17日(卯)、1月19日(巳)、1月28日(寅)、1月29日(卯)、1月31日(巳)
春の土用 4月17日〜5月4日 4月17日(酉)、4月25日(巳)、4月26日(午)、4月29日(酉)
夏の土用 7月20日〜8月6日 7月21日(申)、7月28日(卯)、7月29日(辰)、8月2日(申)
秋の土用 10月20日〜11月6日 10月24日(未)、10月26日(酉)、10月28日(亥)、11月5日(未)

土用期間に食べるべき食べ物とは?

この部分では、土用期間に関連した食事の習慣について詳しく見ていきましょう。

最もよく知られているのは「夏の土用の丑の日にはうなぎを食べる」という慣習です。

この習慣の背景には平賀源内の提案があるとされていますが、土用の丑の日に「う」の字が付く食べ物を食べることが良いとも言われています。

他の土用期間にも、特定の日に食べるべき特定の食べ物に関する風習が存在します。

これらの食品選びには「五行思想」が関与しています。

以前に述べたように、五行説と四季の関係を基にして、自然界は「木・火・土・金・水」の五つの要素で構成されているとされます。

これには色彩の関連もあります。

また、土用が属する月の干支も、いつ何を食べるかを決定する際に重要です。

この考え方に基づいて、四つの土用を見ると以下の通りになります。

冬土用

旧暦12月(丑)、冬(水)、黒

春土用

旧暦3月(辰)、春(木)、青

夏土用

旧暦6月(未)、夏(火)、赤

秋土用

旧暦9月(戌)、秋(金)、白

冬土用に食べると良い食べ物は?

冬土用では、特に「未の日」に「ひ」がつく食べ物や赤い色の食べ物を食べることがおすすめされています。

2024年の「未の日」は1月30日と2月1日に設定されています。

「ひ」がつく食べ物としては、旬のヒラメが適しており、赤い食べ物としてはトマトが良い選択とされています。

春の土用に適した食品とは?

春の土用期間中、特に戌の日には「い」で始まる食品や白色の食品を食べるのが良いとされています。

2024年の春の土用の戌の日は、4月16日と4月28日になります。

「い」で始まる食品には、イカやイワシ、イクラ、イチゴなどがあり、選ぶ楽しみがあります。

白色の食品には、大根や豆腐、白米、お餅などが含まれます。

夏の土用に適した食品とは?

夏の土用期間中、丑の日には「う」で始まる食品や黒色の食品を食べることが奨励されています。

2024年の夏の土用の丑の日は、7月24日と8月5日です。

「う」で始まる食品には、ウナギ、ウドン、梅干し、瓜、牛肉などが挙げられます。

黒色の食品としては、シジミ、黒豆、昆布などがあります。

秋の土用に適した食品とは?

秋の土用期間中、辰の日には「た」で始まる食品や青色の食品を食べることが奨励されます。

2024年の秋の土用の辰の日は、10月31日になります。

「た」で始まる食品には、タマネギ、タケノコ、タコ、タラ、タイなどがあります。

青色の食品としては、一般に青魚と呼ばれるサンマやサバが該当します。

青魚はその色合いから「青い」という表現が用いられることが多いです。

まとめ

古来より日本の風習に根差している「土用」とその関連習慣について詳しく掘り下げてきました。

土用の期間が四季の変わり目に設定され、自然界のバランスを保つための重要な意味を持つこと、また、それに関連する特定の日には特定の食べ物を摂取するという独特な食文化が存在することが理解されます。

土用期間中に避けるべき行為や、その期間に食べるとよいとされる食べ物の選び方は、陰陽五行説と深く結びついており、日本の伝統的な価値観と自然観が反映されています。

これらの知識は、単に過去の遺産を知るだけでなく、現代生活においても健康や福祉を考える上で意味深いものです。

土用を理解することは、日本の文化や伝統に対する理解を深める素晴らしい機会となるでしょう。