見舞金封を選ぶ際、素敵なデザインに心惹かれることもあるでしょう。
しかしながら、名前を書かずにそのまま渡してしまうのは、礼儀に反します。
この記事では、見舞金封の正しい表書きの仕方や、中袋への記入の手順を丁寧に解説します。
さらには、金封の選び方、記入のマナー、そして相応しい金額についても詳細にご説明します。
マナーを守ることで、相手に対する思いやりが伝わります。
ご祝儀袋を通じて、一刻も早い回復を願うあなたの心意気を表現してみてください。
見舞金封に氏名の記入漏れは不適切!
見舞金封は、病床にある方にお渡しするもの。
手渡しするからといって氏名を省略するのは、礼節を欠く行為とされます。
受け取った方が、後になってからお礼をする場合、名前がないと誰からのものか分からず、困惑の原因となります。
金額の記載も同様に重要で、贈った額が明確でなければ、後で受け取った方がどう対応してよいか迷うことでしょう。
受け取る方が不便を感じないよう、氏名と金額は見舞金封にしっかりと記すことが肝心です。
以下では、入院患者への見舞いを行う際に押さえておくべき、基礎となるマナーをご紹介します。
見舞い金封の選び方に必要な注意点とは?3つのキーポイント
「見舞い」と聞けば多くの人が病床への訪問を思い浮かべますが、災害時の支援もこれに含まれます。
早期の快復を願う心から、金封の外観だけでなく、選び方のマナーも重要です。
ここでは見舞い金封を選ぶ際の重要なポイントを解説します。
選ぶべき見舞い金封の特徴は「水引の種類」「色」「のし紙の有無」の3点です。
水引の種類を選ぶ際の配慮
見舞い金封を選ぶ際は、基本的に水引のないものを選択します。
もし水引がついているものを選ぶ場合は、「一度きり」と願う結び切りのものが望ましいです。
再発や再災を願わない意味を込め、結び切りでの贈り物が一般的です。
しかし、「何度でも良い」と解釈されるリボン結びは避けるべきです。
見舞い金封の色選びの基準
見舞い金封の色には、祝事に相応しい紅白を選ぶのが通例です。
水引も同様に紅白のものを選び、不幸を連想させる色合いのものは控えます。
のし紙は不要
祝事でよく見られるのし紙は、見舞いの際には不要です。
祝儀袋はシンプルな無地のものを選ぶと良いでしょう。
- 水引のないもの、もしくは結び切りの水引
- 紅白の色を選ぶ
- のし紙は不要
これらの要点を把握しておくことで、見舞い金封選びでの迷いを防ぎます!
見舞い金封の記入ルールを完全ガイド
以前に金封の選び方をご案内しましたが、記入にも正しいマナーがあります。
これから紹介する4つの基本ルールを覚えておけば、様々な場面での金封の準備に困りません。
毛筆や筆ペンでクッキリと記入
金封に文字を記入するときは、毛筆や筆ペンが望ましいです。
普段使いのボールペンや万年筆ではなく、専用の筆ペンを用意するか、もしくは太めのフェルトペンを使いましょう。
お見舞い金封には、はっきりとした濃い墨で書くことが求められます。
金封の最上部にはタイトルを正確に
金封の最上部中央には、正式なタイトルを記入します。
「お見舞い」や「御見舞」が適切であり、不吉な数字とされる4文字を避けて記入するのが一般的です。
どのような状況であっても、「御見舞」の表記を一貫して使うと、間違えが少なくなります。
金封の下部には氏名をしっかりと
見舞いの金封を贈る際には、下部に贈る人の氏名をフルで記入しましょう。
一人だけでなく複数で贈る場合にも、誰から贈られたのかを明記するためのルールがあります。
3人までなら全員分の氏名を記載
序列や年齢を考慮し、右から順番に記入
右側に夫の氏名をフルで
夫の氏名の左に妻の名前を記入
代表者の氏名を書き、「外一同」と添える
他の人々の氏名は別の紙に記載して中に入れる
複数で包む場合は、これらの基準に沿って行いましょう。
内袋の金額は古典的な字体で
見舞い金封の中袋には、中央に金額を縦に記し、伝統的な字体、すなわち旧字体で書きます。
旧字体を使う理由は、誤字や誤変換を防ぐためです。
例えば、「一万円」を誤って「二万円」に見えるように書き換えられるリスクを避けるためです。
旧字体を用いることで、そのような誤りを未然に防げます。
数字 | 旧字体 |
1 | 壱 |
2 | 弐 |
3 | 参 |
5 | 伍 |
7 | 七 |
8 | 八 |
10 | 拾 |
100 | 百 |
1000 | 仟 |
10000 | 萬 |
円に関しては「圓」の書き方もありますが、「円」でも間違いではありません。
金封の裏側には、贈る側の住所を縦書きで左寄せに記入します。
もし、記入スペースが既に設定されている金封を使用する場合は、そこに従って記載しましょう。
金封を使う際の正しい扱い方と注意点
見舞い金封に現金を封入する時には、細かなエチケットが存在します。
金額をどのように入れるか、どんな紙幣を選ぶべきかなど、きちんとしたルールに従いましょう。
このセクションでは、一般的な疑問である「紙幣の向き」や「金額の決め方」に焦点を当てて説明します。
紙幣の封入ルールとは
紙幣を金封に入れる際のマナーを理解しましょう。
使用する紙幣は、新しいもの、または汚れのない状態が良いものを選びます。
新札が手元にある場合でも、それが「用意していた」ように受け取られないよう、折り目を入れておくのが一つの方法です。
金封に紙幣を入れるときは、人物の顔が前面にくるようにし、上端に顔が来るように配慮します。
複数枚を入れる際は、前後左右が揃うようにし、散らばらないように気をつけてください。
見舞い金額の適切な額面
見舞い金額は、通常3,000円、5,000円、10,000円などの奇数額が選ばれます。
5,000円から10,000円が目安です。
3,000円から5,000円程度が普通です。
関係の深さに応じて3,000円から10,000円を目安にします。
個別で贈るなら5,000円が妥当ですが、複数で贈る場合は一人3,000円が適しています。
※職場で集金を行うことがあれば、個々人の判断ではなく、組織のルールに沿って行動しましょう。
上司への見舞い
上司へは3,000円から10,000円が相場ですが、実物の贈り物が好ましいとされています。
金銭を贈ることが「貧困を示す」などの誤解を招く可能性があるためです。
どうしても金銭を贈る場合は、「御伺い」と表書きし、思いやりの言葉を添えてください。
病院で使える商品券やテレビカードなど、現金以外の実用的な代替品も良い選択です。
特に上司のような目上の人には、金封よりも実物のプレゼントが勧められます。
避けるべき数字
数字の4(死)、6(無)、9(苦)は避けるべき忌み数とされています。
地域や宗教によっては異なる場合がありますが、概ねこれらの数字は避け、3,000円、5,000円、10,000円を選ぶと安心です。
花を贈る場合も、本数に配慮することが大切です。
見舞い訪問のタイミングの見極め方
準備ができたら、後は見舞いに行くだけですが、訪問のタイミングは慎重に選ぶ必要があります。
入院直後や手術前後は、患者やその家族が一番緊張している時なので、この時期の訪問は控えましょう。
面会時間を確認し、訪問することを事前に患者や家族に伝えておくことが大切です。
病室に着いたら、挨拶をしてすぐに金封を手渡しし、迅速に退室するのがベストです。
あなたの配慮が、患者の心の支えになります。
まとめ
今回のポイントをまとめると以下の通りです。
- 金封には氏名の記載を忘れずに
- 氏名がなければ、後でお返しをする際に困ることがある
- 選ぶ金封は水引がないか、あるいは結び切りで、のし紙がない紅白が適切
- 金額は旧字体で、筆ペンを使って金封の中央にはっきりと書く
- 金額は贈る相手との関係に応じて調整する
- 訪問のタイミングは、相手の事情を考慮して決める
これらのポイントを把握しておけば、見舞い時のマナーをしっかりと守り、相手に敬意を表すことができます。