「以降」の意味と正しい使い方:その日は含まれる?「以後」の違い

「以降」の意味と正しい使い方:その日は含まれる?「以後」の違い 雑学・豆知識

「○日以降」という表現を耳にした時、その「○日」が含まれているのかどうか正しく把握できますか?

今回は、「以降」という言葉の意味や使い方、さらに指定する期間について詳しく解説します。

また、「以後」や「以前」といった類似表現についても触れます。

スポンサーリンク

「以降」の意味

「以降」とはどういう意味か

「以降」は「その時点からその後」という意味を持つ表現です。

日常生活やビジネスシーンなどで広く使われ、「平成〇年以降」、「○月以降」、「○日以降」、「○時以降」、「○分以降」といった年月日や時間を示す際によく使われます。

例えば、ビジネスでの約束をする際に「○時以降であればいつでも構いません」と言われた場合、それは「○時以降ならいつでも可能」という意味です。

「以」という漢字の意味

「以降」という言葉で使われる「以」という漢字は、「使う」や「用いる」という意味があります。

「降」の文字には「後」という意味が含まれているため、「以」に「降」を組み合わせた「以降」は「特定の時点を含めた後」と解釈されます。

このため、「○時以降」と言う場合は、「○時を含めたそれ以降」という意味になります。

「以降」で指定する日付の扱い方と範囲について

「○日以降」は○日を含むこと

「以降」という表現を使用する際、注目すべき点は、指定した日が含まれるかどうかです。

「以降」とは、文字どおり「その日から後」を意味するため、「1月1日以降」の場合、1月1日は含まれることになります。

例えば、自身の予定が7月1日から変わるとしたら、「7月1日以降」と伝えることで、相手は7月1日を含めた日程で計画を立てることができます。

他方で、相手から「7月1日以降」と指定された場合、7月1日を含む以降の日程で予定を組むことが可能です。

「以降」を用いる際の期間設定の大切さ

「以降」という言葉は「その時点以降」と解釈されるため、終了日を設定しないと期間が無限に続くことになります。

何かを期限付きで依頼する場合、「今日以降、5月31日まで」といった具体的な締め切り日を設定することが重要です。

なお、「まで」という表現は、その日を含まないことが一般的です。

「20日までに」と言う場合、実際には「20日の前日」までに行う必要があります。

「20日も含める」という場合は、「20日中」と表現することで、20日当日の提出が可能となります。

「以降」を使った具体例

ここでは「以降」を使った例文をいくつか紹介します。

「9月20日以降に受け付ける申込みのみ対応します」

「2014年以降、当社では新規採用を行っていません」

「最近の決定を受けて、役員たちは朝礼への出席が義務づけられました」

「夜8時以降、当社の施設は閉鎖されます」

「前回の会議以降、当社では社内で調査を進めています」

「以降」の類義語と使用上の注意点

「以降」と類似する表現「以後」

「以降」に似た表現として「以後」がありますが、この二つは混同されることがあります。

実際のところ、両者には細かな違いが存在します。

「以後」も「以降」と同じく、指定した日を含む「それ以降」を意味しますが、違いは基準となる時間点にあります。

「以後」は「今から後」と解釈されることが多く、「これ以後気を付けてください」のように使われる場合は、「今から後」という意味合いになります。

一方、「以降」は過去や未来の具体的な日付を基準に使用されます。

「以降」に似た意味の「以来」

「以降」や「以後」と同様に時間の流れを表すのが「以来」です。

「最後の出演以来、姿を見せていない」といった使い方で、これは過去から現在に至るまでの継続を示します。

このため、「来週以来」といった未来形の表現には用いられません。

しかし、「先月以来会っていなかったが、昨日は会った」というように、過去の状況を説明するために使われることもあり、その場合は過去の状況が現在変わったことを指します。

「以降」の反対意味を持つ語

「以降」の対義語「以前」

「以降」は特定の時点以降を意味しますが、その反対語は「以前」、すなわち「○日よりも前」を意味します。

「以前」も「以降」と同じく、指定日を含むことが一般的です。

「5月10日以前」という場合、5月10日も含まれると解釈されます。

この表現は契約書や申込書などでよく使われ、解釈を誤るとトラブルの原因になることもあるので注意が必要です。

まとめ

「以降」という言葉は日常的に耳にするものですが、その正確な意味や使い方には注意が必要です。

「以降」は指定された日を含む後の期間を意味することを理解し、適切に使いこなすことが大事です。