千羽鶴を折り終わった後の扱い方は、意外と知られていないものです。
この記事では、千羽鶴のまとめる方法、つなぎ方、そして適切な処分方法について詳しく解説します。
千羽鶴を美しくまとめるコツ
普通の折り鶴を作る際には空気穴から息を吹き込んで形を整えますが、千羽鶴を作る際にはその必要はありません。
鶴をそのまま平たく保っておきます。
千羽鶴をまとめる際には、折った鶴を糸で連結します。
一般的には、40羽ずつを1セットとして繋ぎ、全部で25セットを作ります。
長さが扱いにくくならないよう、注意が必要です。
折り紙のサイズは、通常7.5cm四方のものが使われます。
大きい折り紙を使用するとボリュームのある千羽鶴になりますが、小さいサイズだと折るのが難しくなることがあります。
目的に応じてサイズを選びましょう。
針に関しては、通常の縫い針よりも長いものが適しています。
特に大きな折り紙を使用する際には、ぬいぐるみ用の長い針が作業に便利です。
糸は、木綿糸を2本取りにしたものやボタン付け用の糸が推奨されますが、テグスや釣り糸でも構いません。
ただし、テグスや釣り糸は扱いが難しいこともあるため注意が必要です。
結び目やまとめ方を考慮に入れて、約150cmの長さの糸を25本用意しましょう。
千羽鶴をまとめる手順
- 糸の下端に直径約1センチのビーズやボタンをしっかりと結び付け、鶴が落ちないようにします。
- 下から上に向かって、鶴を順番に繋げていきます。
- 針に糸を通し、鶴の下部の空洞から入れて上部の袋状の部分から出します。これを2羽目以降も繰り返します。
- 下にある鶴と重ならないように間隔をあけて、くちばしの向きを合わせながら繋げます。
- 40羽を繋げ終わったら、最上部にもビーズやボタンを通し、抜けないようにしっかりと結びます。余った糸は切らずに残しておきます。
- これを25本作ります。
- 5本ずつを一つのグループとし、各グループの上部の糸をまとめて結び、鶴の高さを揃えます。鶴が自然に垂れるように少し余裕を持たせます。
- 5つのグループができたら、すべての糸を一箇所で結びます。
- 糸を2つに分け、左右の束を交差させて何回か結びます。
- 最終的に、カーテンリングなどのリングを取り付け、複数回結び、余った糸は切ります。
大切な思いが込められた千羽鶴は丁寧に扱いましょう。
糸が抜けたり切れたりしないように、しっかりと結び、強度のある糸を選びます。
最後に、ビーズやボタン、リングの結び目にボンドを塗って固定し、解けないようにします。
千羽鶴の配色で美しい効果を生む
千羽鶴をまとめる際、色の選び方に工夫を加えることで、全体の見た目に大きな変化をもたらすことができます。
虹色のような滑らかな色の移り変わりや、色鉛筆のような色順を取り入れるのが効果的です。
しかし、金銀色や白黒灰色など、他の色と調和しづらい色は目立ちやすく、避けるのが賢明です。
全ての鶴を同じ色順でつなげることで、完成時には見事なグラデーションが現れます。
色の段階をつけたグラデーションや、一色に統一された鶴の列を作るなど、さまざまな配色方法がありますが、大量の同色折り紙を用意するのは大変な場合もあります。
配色計画は折り始める前に立て、必要な折り紙を準備します。
色ごとに分けながら折り進め、糸を通す前に仮の並べ方で色のバランスを確認しましょう。
千代紙を使うのも素敵な選択肢です。
避けた方が良い色ってあるの?
特定の色を完全に避ける必要はありませんが、全体の配色になじみにくい色は避けることをおすすめします。
例えば、黒や白は一般的に不吉なイメージがあるため、お見舞いなどの場合には使わない方が無難です。
また、金銀色は非常に目立つため、使い方には注意が必要です。
最終的には、贈る相手やその目的に合わせて、適切な配色を選びましょう。
千羽鶴を折る際の留意点
お見舞いのために千羽鶴を折る際、鶴の頭を折り返さないという慣習が存在します。
これは頭を折り返す行為が「首を折る」とみなされ、不吉とされることに由来します。
ただし、頭を折り返さない場合、鶴の形が不自然になる可能性もあります。
通常、鶴の首となる細い部分を折り返すことで頭部が形成され、これは首を折ることとは異なります。
技術的に見れば、首は頭の付け根以下を指します。
個人的見解として、お見舞いであっても鶴の頭部は折り返した方が良いと思います。
頭部がないと奇異に映ることもあります。
また、頭部を過度にうつむかせないよう直角に折る方法が推奨されることがありますが、これはやや過剰な心配と言えます。
実際には、お見舞い用の千羽鶴も通常の折り方で作られることが一般的です。
それでも、お見舞いはデリケートな場合があるため、贈る相手の感情を考慮し、折り方を慎重に選ぶことが肝要です。
千羽鶴の適切な処分方法
願いを込めて作られる千羽鶴は、多くの感謝の思いがこめられています。
しかし、完成後の処分については、多くの人がどうすべきかで悩みます。
ゴミとして捨てるのに抵抗を感じることもあれば、長期間の保管は場所を取る上に、ほこりをかぶってしまうこともあります。
また、それが辛い記憶を思い起こさせることもあります。
理想的な処分方法は、神社でのお焚き上げです。
これにより、精神的な負担を感じることなく、心を落ち着けることができます。
しかし、全ての場合に神社での処分が可能とは限らず、知らないうちに捨てられてしまうこともあります。
どんな状況であっても、千羽鶴を作る際の感謝の気持ちは大切にしましょう。
願いが叶ったり、回復が見られたりすることで、感謝の気持ちは満たされます。
その思いがあれば、どのような処分方法を選んでも問題ありません。
大切なのは、感謝の気持ちを持って千羽鶴を手放すことです。
まとめ
千羽鶴を制作することは、ただの時間つぶしではありません。
一羽一羽を慎重に折り、それを千羽連ねる作業には膨大な労力と時間がかかります。
千羽鶴は、その制作過程に込められた深い願いや思いが形になったものです。
作る人の「何か力になりたい」「何かをしてあげたい」という気持ちが、千羽鶴を作る理由になっています。
受け取る人には、「こんなに思ってくれているのか」「こんなに応援してくれているのか」という気持ちが伝わり、励みや勇気を与えます。
千羽鶴を受け取って元気が出たという人もいれば、感じ方は人それぞれです。
贈る相手の状況や気持ちを考慮し、適切な贈り物を選ぶことが重要です。
千羽鶴はお見舞い以外にも、応援や感謝の意を示すため、また外国の方への贈り物としても活用されます。
一羽一羽に心を込めて、美しい千羽鶴を作ることを目指しましょう。