栗の英語における正しい表現を最近調べてみたところ、興味深い発見がありました。
日本ではよく「マロン」という言葉が栗の英語名だと思われがちですが、実はこれは正しくありません。
実は「マロン」は和製英語で、英語圏では使われていません。
では、栗の正しい英語表現は何かというと、
chestnut(チェストナット)
がその答えです。
あまり馴染みのない言葉かもしれません。
アメリカなど英語圏で「マロン」と言っても通じませんし、実際には「マロン」というと食用ザリガニを意味する場合があります。
そのため、間違って「マロンをください」と言うと、予期せぬものが提供されることも。
では、なぜ私たちは「栗=マロン」という印象を持つのでしょうか?
実は、これはマロングラッセというお菓子の影響が大きいとされています。
「マロン」と「栗」の言語的な違いと語源
「マロン」という単語は、実はフランス語の起源を持っています。
フランス語で栗を表す言葉は二つあり、「マロン」(marron)と「シャテーニュ」(châtaigne)がそれに当たります。
これら二つの単語には細かな違いがあり、一般的に次のように区分されます。
一つのイガに2~3個の小さな実を持つ小型の栗。
一つのイガに一つの大きな実を持つ大型の栗。
大きくて見栄えの良い「マロン」は、豊かさの象徴とされています。
日本で人気のマロングラッセは、この大型の「マロン」を使用しています。
そして日本にマロングラッセが浸透していく過程で、「栗=マロン」という理解が広まったという説があります。
ただ語源には様々な説がありますので、実際のところはわかりませんが。
「マロン」という単語がカタカナで表記されるため、誤って英語と考えられることがしばしばあります。
マロンとシャテーニュの具体的な違い
「マロン」という単語はもともと、マロニエ(marronnier)という木の果実を指す言葉でした。
一方、「シャテーニュ」という言葉は、シャテニエ(châtaignier)という木の果実を指し、これが実際の栗を意味しています。
フランスでは今も、スーパーマーケットで栗を「シャテーニュ」として販売することが一般的です。
昔、マロングラッセはマロニエの木のマロンを使って作られていましたが、このマロンはアクが強く加工が困難でした。
その結果、代わりにシャテニエの木のシャテーニュ(栗)が使われるようになり、徐々に栗の別名として「マロン」が一般化しました。
現在のマロングラッセは、シャテニエの木のマロン(大きな1粒の栗)で作られています。
以前はマロニエのマロンが使われていましたが、そのアクの強さからシャテーニュに切り替わったのです。
栗のサイズによって名称が変わります。
小さな粒が複数集まったものは「シャテーニュ」。
1つの大きな粒は「マロン」と呼ばれ、マロングラッセの材料として使われます。
このように、マロンとシャテーニュの名称は時代と共に変化し、「マロン」という名が栗の代名詞として定着してきたのです。
モンブランケーキとは?栗を使ったデザートの背景
モンブランは栗を使った人気のケーキで、名前はフランス語が由来です。
このケーキの名前「Mont Blanc」はフランス語で、発音の際に「t」と「c」は省略され、「モンブラン」と呼ばれます。
「Mont」は山を、「Blanc」は白を意味するフランス語です。
つまり、「モンブラン」とは、アルプス山脈にある白く雪に覆われた山の名前が元になっています。
日本において「モンブラン」というケーキが初めて作られたのは、東京自由ヶ丘のケーキショップだとされ、そこから全国的に普及しました。
「モンブラン」は本来のフランス語ですが、日本で一般的にカタカナで表現される用語は、しばしば和製英語であることが多いです。
例えば、以下の用語などがその例です。
「ソフトクリーム」は英語で「soft ice cream」
「シュークリーム」は英語で「Cream puff」
「デコレーションケーキ」は英語で「fancy cake」
和製英語にはなかなか気づきにくい面があります。
まとめ
英語では「栗」は「chestnut(チェストナット)」と表現される
フランス語における栗は本来「シャテーニュ(châtaigne)」
「マロン」はフランス語であり、マロングラッセで使われることから栗を指す言葉として定着
マロンって何語なのか、知らない人も多いと思いますので、これらの知識を周囲に共有してみましょう。
コンビニでマロンのデザートがほしくなったりするかもしれませんね。